経営環境の好転なし 4月の企業倒産
帝国データバンク京都支店が7日発表した4月度の府内企業倒産は、26件(負債総額71億8800万円)と05年7月以来21カ月ぶりに30件台を下回りましたが、景気回復による経営環境の好転はなく、今後大型倒産を含めて増勢の可能性が高くなる、としています。
件数は前月比46.9%、負債額は同62.2%とともに大幅に減少。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満の小規模企業が16件(構成比61.6%)と前年同月の22件(71.0%)から減少する一方、1億円以上が2件とやや規模の大きな企業への波及しています。業種別では、「食品」が7件で最多となり、個人消費に深くかかわる業種での倒産が多発しています。
同支店では、30件を下回ったことについて、個人経営の法的整理が12件と前月比半減以下になったことが背景にあるとしながらも、「景気回復により小規模事業者の経営環境が好転した状況ではない。年度末に重なった法的申請の処理が前月に集中した反動という側面があり、5月以降再び増勢が予想される」と指摘。
また、倒産件数に占める「法人」の比率が上昇しており、「小規模事業者の多発傾向に加え、負債10億円以上の大型倒産も再び増勢の可能性が高い」としています。