守ろう憲法、なくそう「格差と貧困」 京都総評定期大会
京都総評第67回定期大会が1日、京都市中京区のラボール京都で開かれれ、参院選で自民・公明過半数割れに追い込んだ情勢の下で、「格差と貧困」に立ち向かう賃金闘争や「戦争する国」づくりへのあらゆる策動を許さない憲法闘争などを盛り込んだ07年度運動方針を採択。来年2月の京都市長選挙で、市政刷新と転換、中村和雄市長の実現をめざす特別決議を決めました。
岩橋祐治議長は、参院選で憲法と国民生活破壊へ暴走してきた安倍・自公内閣を過半数割れに追い込んだことについて、「憲法9条改悪や労働法制改悪、消費税増税をストップする展望、可能性が広がっている」とのべ、新たな情勢、可能性を踏まえた運動の強化を呼びかけました。また、来年の京都市長選については、「京都市民の歴史的審判で市政刷新に向けて、中村和雄市長実現へ全力をあげる」と訴えました。
来賓出席した中村和雄さんは、昨年大量の職員逮捕者を出した背景にある同和利権団体とのゆ着にメスを入れ、格差是正に向けた施策の実現を訴え、「来年のメーデーにはぜひ京都市長としてあいさつしたい。みなさんと一緒に市政刷新、京都市役所の大掃除をやりたい」と決意を語りました。日本共産党の渡辺和俊府委員長も出席しました。
採択された07年度運動方針は、「格差と貧困」の是正に向けて、最低賃金の大幅引き上げや長時間労働規制、サービス残業根絶につながる労働基準法改正など働くルールの確立、社会保障分野での共同の取り組みや学習の強化を強調。
また、憲法闘争では、国民投票法が成立した下で、全労連が提起する500万人目標の「許さない9条改憲署名」の積極的推進やテロ特措法延長など「戦争する国」づくりのあらゆる策動に反対する取り組みを提起しました。
議案審議では、25組織26人が発言に立ち、「格差と貧困」の打開に向けた職場、地域でのたたかいや組織拡大の経験などが交流されました。
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大会で選出された役員は以下の通りです。
▽議長=岩橋祐治(再)、▽副議長=斉藤眞一、佐々木眞成、辻昌秀、馬場隆雄、藤本雅英、屋田恒之助、山村隆(以上、再)、奥井正美、小寺美智子、松本隆浩、吉田文子(以上、新)▽事務局長=河合秀明(再)▽事務局次長=稲村守(再)
京都総評定期大会では、07年度運動方針を受けて、各単産や地区労協などから「格差と貧困」の打開や憲法守る取り組み、京都市長選勝利に向けた活動などが報告されました。
京都総評青年部は、府の最低賃金で生活する「最賃伝説」に過去最多の参加者で成功させたことを紹介し、「マスコミからも注目を集め、最賃引き上げの世論をつくることができた」とのべました。
福祉保育労では、非正規労働者の処遇改善に向けて実態調査した結果、非正規の比率が4割を超えたことが判明。そのため非正規部会を結成し運動することを報告しました。
暮らしを守る取り組みで、亀岡地労協は社保協と共同で、府と亀岡市が一緒になって実施しようとしている共同での住民税の滞納整理をやめ、低所得者の税減免や生活保護の申請権確保などを要望したことを紹介しました。
憲法・平和をめぐるたたかいでは、組合員の技術を活かして、憲法CDを制作した経験(北上地区労)や、「自衛隊員を派遣している基地のまちとして、テロ特措法延長反対のたたかいを強めたい」(舞鶴地労協)などの意見が出されました。
来年2月に行われる京都市長選に向け勝利への決意が相次ぎました。
京都自治労連は、昨年実施した市政評価アンケートの記入欄に、命を絶つ寸前まで追い込まれている市民の叫びが寄せられたことを紹介し、「中村市長を実現し、格差と貧困の拡大をすすめてきた市政を刷新したい」とのべました。京都市教組は、「格差・競争・問答無用の「教育改革」をすすめ、子どもたちや父母、教員の願いに背を向ける教育行政の転換の絶好の機会」と語りました。
組織拡大の問題では、伏見ふれあいユニオンが2年半前の結成時(17人)から組織を10倍化(170人)した取り組みについて、従来のやり方にとらわれず産業や年齢、正規・非正規を問わずすべての人に働きかけたことを強調し、「組織拡大は地域ユニオンの最大の課題。200人を目標にさらに活動領域を広げていく」と話しました。