京都府内のベテラン小学校教師、田村まり子さんは突然がんと診断されて以来4年間、末期がんとの闘病生活を自ら綴った『乳がんの歩きかた 余命を生きる50の物語』(田村まり子・二松啓紀 著)が、このほど出版されました。
 小さなしこりとして発見された乳がんは、まもなく骨や皮膚、肝臓や肺にも次々と転移。大学病院からは「ホスピス行き」をすすめられ、「もうダメかも」とあきらめかけます。
 民間病院に転院し、未承認薬と出会い、家事など日常生活ができるまでに回復。死の恐怖におびえ、医療への不満をぶつけながらも、初孫の誕生、成長を喜び、ショッピングや夫婦旅行など人生を前向きに明るく、たくましく生きていく著者の姿は、がん患者や家族にとどまらず、生きる勇気を与えてくれます。(文理閣、201ページ、1500円+税)