深まりゆく秋、淀川・鵜殿原 一面のヨシ
国土交通省淀川事務所山崎出張所付近の甲子園約18個分(約75ヘクタール)の広大な河川敷は、深まりゆく秋に、オギやヨシにおおわれています。銀の穂が太陽に照らし出されたヨシやオギの大パノラマは絶景です。特に上牧(カンマキ)から前島の間は「鵜殿の葭」としてヨシは古くから知られており、簾(スダレ)や雅楽器の篳篥(ヒチリキ)の廬舌(ロゼツ、吹き口)として重用されていました。
戦後、セイダカアワダチソウ(帰化植物)やオギとの生存競争に敗退し、治水対策で川底が掘削されたりして1948年に約60ヘクタールあったヨシ大群落は1989年には約5ヘクタールまで減少しました。その後、ヨシ生育のために専用の水路を造りポンプで水を供給するなどの保護が行われて2002年には15ヘクタールまで急速に回復してきました。
深まり行く秋、淀川右岸堤防には、乳母車で幼児と散歩する人、保育園児たちの列、年輩の夫婦連れの人、ジョギングする人、サイクリングする人がのんびりと行き来しています。(仲野良典)