江戸後期からの宇治人形一堂に 12月15日まで花園大学
お茶の木で作られた「宇治人形(茶の木人形)」の展示会が15日まで、中京区の花園大学歴史博物館で行われています。宝鏡寺(上京区)学芸員の田中正流さんのコレクション120点を中心に、宇治で代々の茶業店が保存している人形の提供も受け、計180点の宇治人形が並べられています。江戸後期から近年までこれだけの人形が一度に公開されるのは初めて。
茶の木人形は、江戸後期に上林清泉が作った茶摘み姿の女性の根付人形から始まったと言われています。高さ5センチから10センチの小さな人形で、茶の木の材質が極めて堅いことから、加工には高度な技術を要しました。明治期を経て大正から戦前まで技が継がれましたが、戦争の混乱で製作が中断され、今では宇治でも知る人が少ないと言われています。
展示では上林清泉をはじめその次男の楽之軒、岡村楽山、桂楽峯らによる宇治人形や絵画など、宇治人形の歴史が年代を追って分かるように並べられています。
同館の青江智洋研究員は「宇治でお茶にかかわる老舗の方々が来られ、懐かしそうにながめておられました。次回は宇治の地で広められたらと思います」と話していました。
花園大学歴史博物館TEL075・811・5181。無料。