京都市北区在住の矢田逸次さんが、万葉集に詠まれた京都と滋賀の失われていく、いにしえの風景を写真と紀行文で残そうと、『カメラ散歩 京・近江の万葉めぐり』(かもがわ出版、1500円+税)を出版しました。
京都府内では、額田王の歌にちなむ天智天皇陵をはじめ宇治川から朝日山を望んだ風景や恭仁京、狛山など25カ所、滋賀県では、柿本人麻呂にちなみ琵琶湖のかなたに比叡山が浮かぶ風景など、8年の歳月をかけて撮影した45ヵ所の故地が紹介されています。
開発の波で、急速に破壊されていく万葉の舞台の現実を見すえた、文明批評ともなっています。 著者が「何度足を運んでも飽きない光景」を、一度は訪ねてみたくなります。