これでいいのか天ヶ瀬ダム 共産党宇治市議団がシンポ
日本共産党宇治市会議員団は、5日、宇治市生涯学習センターにおいて「これでいいのか 天ヶ瀬ダム再開発・宇治川改修」と題するシンポジウムを開催しました。パネリストには、国土交通省淀川水系流域委員会委員長で元淀川工事事務所長の宮本博司さん、国土問題研究会事務局長の中川学さん、日本共産党の滋賀県会議員団長の森茂樹さん、日本共産党京都府会議員の前窪義由紀さんを招きいて討論。現在国土交通省が提案している宇治川への1500トン放流とそのための天ダム再開発・宇治川改修が本当に必要なのか、宇治川の堤防は大丈夫なのか、景観はどうなるのか、など120人の参加で検証しました。
宮本委員長は国土交通省近畿整備局の「淀川水系整備計画原案」を説明の上、大戸川ダム建設や天ダム再開発をしても極限られた効果しかないことや、宇治川は再開発の後の方が洪水の危険の可能性があることなど、この間の流域委員会での議論を含め分かりやすく示しました。
中川さんは宇治川改修問題で調査されてきた結果をふまえ、宇治川堤防が土饅頭のような脆弱なもので洪水や鉄砲水の危険性などがあることや、その上で2線堤の提案などがありました。
森県議は琵琶湖総合開発では大企業の利水のために琵琶湖の自然のメカニズムを破壊されてきたという問題について語りました。前窪府議は事業費430億円の天ダム再開発で京都府は71億円もの財政負担をしようとしていることや、府営水は余っていることなどを述べました。
フロアー発言では、市民の他に浜田良之京都6区代表からもこの問題での近畿整備局への交渉をふまえた発言がありました。
フロアー発言に応える形で最後に宮本さんが、琵琶湖・淀川水系の生き物、水質、河川環境が病んでいて、これまでの河川整備や住民の生活の仕方が問われている中、整備計画が人命第一に考えられていないことを指摘され、「孫子の世代にどういう町を残すのか、私たちの世代が真剣に考え、その道筋を示さないといけない」と呼びかけ、「河川法は、住民意見を反映する、としている。整備計画が住民の声を無視して強行されたら、将来に重大な禍根を残す。絶対にそんなことを許してはならない、住民のみなさんが行政を動かすことが必要」と、締めくくられ、大きな拍手に包まれました。
参加者からは、「大きな視点で考えられて大変良かった」「滋賀県からも『宇治川に1500トン流せというのは全体の県民の思いではない』と聞けて心強い」などの感想がありました。(中路初音)