京大病院新病棟の特例許可は問題
京都市の新景観政策の高さ制限(20㍍)を超える31㍍で建設を予定している京都大学附属病院新病棟(8階建て・左京区)が、3月に開かれた市景観審査会で「特例」として許可された問題で、市民団体「まちづくり市民会議」は11日、門川市長と川崎清・市景観審査会会長に対して、「公告縦覧、市民の意見書提出など事前手続きを省略している」などとして公開質問状を提出。25日までの回答を求めています。
質問は、事前手続き省略の見直し検討の有無や東山眺望への影響、利害関係者の審査除外など6項目。共同代表の中林浩・平安女学院大学教授ら3人が市景観政策課に質問状を手渡しました。
会見で中林代表は、「新景観政策の実現を歓迎したが、いきなり高さ規制の5割増しを認める特例許可に憤慨している」とのべ、事務局代表の中島晃弁護士は、「事前手続き省略の前例を許せば、市民が知らないところで規制を超えたビルが建つようになる」と批判しました。また、「回答によっては今回の許可そのものへの異議申し立てを検討する」としています。
新景観政策では、一部の建物に高さ規制の例外を認める「景観誘導型許可制度」が設けられており、京都大新病棟は適用第1号。京都弁護士会は3月6日、特例許可制度について、「基準が抽象的、主観的。許可手続きで市民意見が十分反映されにくい」などとして廃止も含めた再検討を求める意見書を門川市長と京都市議会に提出しています。