これが「首都圏青年ユニオン」のたたかいだ 河添誠氏の講演(1)
首都圏青年ユニオンの河添誠さんが8日、京都市左京区の京都国際交流会館で行われた青年雇用企画「こんな働き方で委員会!?」で語った講演「『貧困』と『労働基準法以下の労働条件の拡大』と対抗する運動を」の大要を紹介します。
はじめに2つの事例を紹介したいと思います。
ひとりは20代の女性で、日雇い派遣で働いていた人です。彼女は病気などで仕事が続けられず、家族との仲も悪くなり、家に帰れない状態になりました。お金のある時はネットカフェで泊まり、無いときは一晩中コンビニを転々として夜を過ごしていました。昨年春に行われた青年雇用集会で私たちと出会い、生活保護を受けて仕事を探しています。
もう一つは、「ショップ99」というコンビニで店長をしていた男性です。彼は8年間フリーターをして、その後コンビニの社員になりました。24時間営業のため、バイトが入れないときがあると彼が仕事しなければならず、1カ月で300時間以上働きました。彼はあまりの長時間労働のためにうつになって、仕事ができなくなり青年ユニオンに相談にきました。彼の給料は年俸制で、残業代の出ない、いわゆる「名ばかり管理職」でした。
このような例はいくらでも話せるほどあります。僕らが直接相談にのった話というのは氷山の一角にすぎません。
こういうひどい働かせ方や「貧困」の実態を変えるためにどう運動していったらいいのかということを話したいと思います。
私たちが取り組んだ中で一番有名なのが大手牛丼チェーン店の「すき家」の話です。
東京・渋谷にある「すき家」の若者たちが解雇されたことで、彼らが青年ユニオンに相談にきました。よく聞いてみると、残業代が適正に払われていませんでした。会社と団体交渉し、労働組合に入った若者たちの解雇は撤回させ、残業代を支払わせました。
しかし、「すき家」は仙台のアルバイト組合員らに残業代を支払わなかったので、仙台労働基準監督署に刑事告訴して、たたかっています。
日本の労働組合は民主的にできています。労働組合に入り、労働組合法にもとづいて団体交渉することがいちばん労働問題を改善するのに良い方法です。 労働組合に入ると、会社の前でビラまきや街頭宣伝もできます。個人ではできないことです。
ある大手美容室チェーンのヘアカットショーの行われた会場の前で、その美容室の働かせ方に抗議する街頭宣伝をやったこともあります。