修学院9条の会講演会 井口氏「平和からの脱走は日本が取り残される道」
修学院学区九条の会は15日修学院教会(京都市左京区)で「結成3周年記念講演会」を開き45人が参加しました。
同会は05年1月に25人の呼びかけでスタートし、3年間で呼びかけ人は61人、賛同者は226人に広がっています。
記念講演会では、京都府立大学名誉教授で呼びかけ人の水谷民雄氏が「イラク派兵差し止め訴訟の勝利など、憲法9条をめぐる流れが昨年の参院選後変わってきた。憲法9条を守る取り組みをいっそう強めていきましょう」とあいさつ。
つづいて京都府立大学の井口和起名誉教授が、「東アジアから見た日本国憲法9条」と題して記念講演し、90年代以降の自衛隊の海外派兵や憲法「改正」にむけた国民投票法など、憲法をめぐる日本の状況を「平和からの脱走」と説明。一方で、韓国では「反戦平和」の良心から兵役を拒否する若者が増えていることや、最近の反米デモなど「平和への熱走」と指摘しました。
そのうえで、韓国、北朝鮮、日本の戦後の国家形成過程や韓国の憲法草案の議論で、日本国憲法の「非戦思想」が影響したことなどを紹介し、「日本の『平和からの脱走』は歴史に取り残される道。戦前・戦後の歴史を再認識し、アジアの人々への約束(平和憲法)を守れるかどうかが問われている」と強調しました。
主催者からは「3年間の取り組みに確信をもち、いっそう花開く取り組みをすすめていこう」と呼びかけられました。
また、講演会に先だって地元の音楽バンド「左京人(サキョウウンチュウ)」の演奏も披露されました。(中森武司)