水の精 美しく輝くスイレン
草津市立水生植物公園みずの森(滋賀県草津市)には5月下旬頃から見事なスイレンが花咲かせています。
温帯(寒帯性)スイレン、熱帯スイレンに大別されますが、同園にはさまざまに交配された新しい品種など日本最大級の約140品種が育てられています。室外の池にはピンクグレープフルーツ、プリンセス、エリザベス、ローズマグノリア、白雪ほか多数の耐寒性スイレンが。アトリウム(観賞温室)には珍しいブラックプリンセスや野生3品種を交配させた当園でしか見ることのできない美しい青色花弁のMizu-no-Moriなど、多種多様な名前が付けられたスペクトルのように鮮やかな色や中間色のスイレンが咲き誇っています。
同園の技師上田雅也さんは「一つのつぼみから3回(3日間)だけ花開します。4回目には花弁が落ちるんです。また新しいつぼみができて順番に開花します。池には1品種毎に大きな鉢を沈めて生育させます。鉢の土の入れ替えなどをして丁寧に育てています。水槽から重たい鉢を運搬するのに苦労しますが、多くの人たちに感動していただけたら」と話します。
京都、大阪など近畿圏や福井県や長野県から訪れた人たちも「色がとてもキレイ」「何とも言えない色合い」と堪能。
同園園芸相談員の小丸惠子さんは、「スイレンは午後になると花を閉じてしまうので、鑑賞は午前中と昼時がいいです。スイレンは睡蓮と漢字で書きますが、夕刻から眠り、朝花開くからでしょうね」と。同園にはスイレンのほかたくさんの水生植物が花を咲かせ、来園者の心を和ませています。
6月17日から始まった同園のスイレン展は7月21日まで行われます。期間中はパネル展示、スイレン観察会なども行われます。入園は午前9時から午後5時(7月11日から8月20日は午前7時から午後5時)、休園日は6月23日・30日と7月14日。(仲野良典)
「…けふもまだ熱はさがらず Nymph,Nymbus,Nymphaea,…」(宮沢賢治『春と修羅』の一節から。nymphaea=ニンファエアはスイレンの属名。ギリシャ神話の水の精nymphに由来=同園パネル説明)