桔梗と苔の廬山寺 源氏の庭
京都御所と鴨川との間にある天台系圓浄宗の廬山寺(国宝や重文の書や仏像多数あり)は、938年比叡山座主の元三大師(ガンザンダイシ)良源が船岡山に開き応仁の乱など変遷をへて1573年に紫式部邸宅跡の現在地に移転しました。
紫式部の曽祖父、藤原兼輔が建てた邸宅は鴨川の西堤防にあって「堤邸」とも呼ばれ、兼輔は堤中納言の名で知られています。紫式部は結婚後もこの邸宅で住み、『源氏物語』もここで執筆するなど生涯の大半をここで送りしました。
本堂前の「源氏の庭」は白砂の海に浮かぶ杉苔の島に紫の桔梗(キキョウ)が咲く清楚で気品漂う庭園で昭和になって整備されました。
宇治市から来た女性(58歳)は「ヨーロッパ風の庭園が好きだったのですが、最近は日本風、京風の清楚な庭園がなんだかこころ和ませてくれるようになってきました。ここの白砂、青い杉苔、そして清楚な紫の桔梗の庭園とってもいいですね」と話します。桔梗は今がみごろで、9月中旬ごろまで見られそうです。(仲野良典)