特別決議
2008年6月27日 立命館大学文学部自治会
 今年4月、生命科学部の学生を対象に特別転籍が実施されました。特別転籍は入学者数が補助金削減の対象となる1.4倍を超える1.48倍になったことを受けて生命科学部のみに実施されたものです。これについて文部科学省からは、「教学上の合理的な理由があったと判断」できないとして私立大学経常費補助金を25%(約15億円)削減されることが伝えられました。
 まず大きな問題点として挙げられるのが、学生の教学条件を整えることよりも補助金減額を避けるために特別転籍を実施したことです。特別転籍は過去に文学部や国際関係学部でも行われており、今年初めてではなく歴史的に行われてきたものです。こういった特別転籍は、学生を軽視し経営のみを優先させている象徴的な問題です。退任慰労金倍増問題にも見られますが、近年立命館大学に於いて学生を軽視した、「平和と民主主義」「全構成員自治」に反する学園運営が行われていることはもはや明白な事実です。同時に、今回学生を軽視し経営主義の判断をしたことは、立命館学園の社会的信頼を失墜させ、学生・教職員・院生の誇りを著しく傷つけました。
次に、結果として15億円以上の損失を生じさせたことです。15億円以上の補助金を削減されたことは学園として非常に大きな損失です。今回削減された経常費補助は私たちの学費値下げにつながる資金です。理事会は学費や教学に転嫁することはないと表明していますが、疑問が残ります。
さらには、公費助成運動への影響も挙げられます。本学ではこれまで「公費助成推進のための立命館大学全学連絡協議会」を結成し、公費助成の増額を求める運動をリードしてきました。しかし今回の問題で、学生や保護者のみならず多くの市民の間に、これまでの私大助成運動について不信感を抱かせかねません。
6月20日、理事会は今回の件の処分を決定しました。全理事の減給、理事長の公的役職の辞任がその処分です。しかし、これまで特別転籍を主導してきた川本八郎相談役が一切処分されていないことや、長田豊臣理事長も対外的には公的役職の辞任という重い処分となっている一方で対内的には減給処分しか行われていないなど、今回の処分は不十分であると言わざるを得ません。また、今回は学園の管理運営のあり方が問われました。これに関して理事会はホームページ上で「管理運営の見直し」を掲げています。しかし、本当に運営のあり方を変えるのであれば、これまで学生軽視の学園運営を主導してきた理事会の中心メンバーの刷新こそ必要ではないでしょうか。さらに、現在の理事会の中心メンバーに対する学内者の信頼は地に落ちています。この点から考えても、理事長・相談役といった理事会の中心的メンバーはその任を退く必要があるでしょう。
以上のことから、私たち文学部生は以下のことを理事会に対して要求します。
一、なによりまず学生の前に出て謝罪すること
一、これまで経営主義の学園運営を主導してきた責任の所在を明確にし、退陣も含めた厳重な処分を検討し直すこと
一、補助金15億円以上の削減を前にしては、退任慰労金を即座に返金し、倍増規定を撤回すること
一、全学協議会を開催し、今回の総括をすると共に今後全構成員自治に基づいた民主的な学園運営を行うこと