「殺すなかれ」瀬戸内寂聴さんの発言(2) 「憲法9条京都の会」
嘘をついちゃいけないとかそんなん守れないですよ。守れないとわかっててわざとおっしゃるんですね。守れないことを自覚した時に人は謙虚になれます。その時、本当に自分はバカだと、不憫だと思いました。そういう風に思わせるために、ああいうふうにおっしゃるんだと思います。
せっかく出家したんだから、殺すことはしないだろうと思っています。しかしこれも自信がありません。自分は殺さないと思っておりましても、そういう事態に立ち入ったら加害者になるかわからないですよ。これは非常に恐ろしいことですね。
51歳の女だからでございますよ。それを守ってやろうと思ってですね、それは守りました。その一点で坊主になった。
殺したら自分が刑務所入らなきゃいけないですからね。
そういうわけですから、だめな坊主なんです。この会の世話人に有馬さんがいらっしゃる。あの人は偉いんですよ。あんな偉い人じゃなくて、私はだめ坊主なんだけれども、こんな偉い人(鶴見さん)も悪人だとおっしってるのと同じようなものです。
つい9日前に祇園で酒飲んで酔っ払って、2階からおっこち大怪我いたしました。今日ここへ来られないんじゃないかと思ってそれだけ心配しておりました。顔がお岩さんのようになったのでおしろいを塗ってきました。(笑い)でもしゃべれるから、今日は這ってでも来ようと思いました。来たお陰で、こんなにたくさんのみなさんが「戦争はしない」と断言しようとしてらっしゃる姿を見て、感動いたしました。
私は、前から9条の会に入れてもらいたいと思っていたんですがいれてくれないんです(笑い)。私は1人でするんです。なぜ1人でするのかというと、私は過激でございますから、どういうことするかわからない。みんなに迷惑をかける。1人でやった場合は、私1人で引き受けたら良いんです。