道理ない国の主張をきびしく批判、厳正な判決要求
国側の異例の弁論再開申し立てにより、判決を待つだけになっていた近畿原爆症認定集団訴訟「第2次提訴グループ」の弁論が11日、大阪地裁202号法廷で開かれました。国側の主張は4月から実施している厚労省の新基準に基づき、原告のうち結審した後に厚労省が“認定”した原告について、訴えの却下を求めるというものです。
原告・弁護団は、国側の主張に全く道理がないこと、ねらいは訴訟の引き延ばしにあることなどを事実にもとづき厳しく批判し、裁判所にたいして国家賠償も含む厳正な判決を求めました。国側は、一言の陳述もおこないませんでした。
陳述に立った、夫・昭さんの遺族として提訴した大坪郁子さんは、昭さんが認定申請に踏み切ったのは「原爆の放射線というのは、60年たっても被爆者を苦しめるものだ、ということをはっきりさせたい。自分のような被爆者としての苦しみを、これからの人びとにさせてはならない」との思いからだったことを紹介し、その思いが「却下」の紙切れ1枚で踏みにじられたことへの怒りを国にぶつけました。
そして大坪さんは認定はされたものの一言の謝罪もなく、「『見直して、認定したから、これ以上裁判は必要ない』と言われても、黙って引き下がることはできません」と明言。「裁判所の判決で、これまでの国の主張が間違いであったことをはっきりさせてほしい」と涙ながらに訴えました。
終了後ただちに報告会を開き、18日の大阪地裁での全員勝利と原爆訴訟の全面解決へとりくみを強めることを誓いあいました。(小杉功)