善峯寺 京都市西京区の西山の中腹にある善峯寺では、白や紫のシュウメイギクが満開です。
 善峯寺は天台宗の寺院で、西国三十三カ所霊場の20番札所にあたり、1029年に創建されたと伝えられています。広大な境内には多宝塔(重文)をはじめ多数の堂塔が建ち並び、回遊式庭園や参道は春は桜、秋は紅葉など四季の草花に彩られる寺院として知られ、参拝者が絶えません。
 善峯寺の山門を一歩入れば境内いたるところにシュウメイギクが咲いています。シュウメイギクはキク科ではなくキンポウゲ科に属し、秋に開花し葉っぱや花が菊に似ていることから秋明菊(秋冥菊とも)、洛北貴船に咲くことから貴船菊とも言われ、古くに中国から伝わった帰化植物です。
 善峯寺の蓮華寿院庭、参道脇や石垣など境内いたるところに咲いていますが、日当たりがいい本坊の庭園周辺では白、紫の一重、八重の花が見事です。今がいちばんの見ごろであと1週間は観賞できるようです。(仲野良典)