鄭詔文氏収集の朝鮮美術工芸品 130点を高麗美術館で
開館20周年を記念して京都市北区の高麗美術館が、創設者の故鄭詔文(チョ・ジョムン)氏が収集した朝鮮の美術工芸品を展示する特別展を開催しています。
在日朝鮮人1世の鄭氏は30余年の年月をかけて、祖国への憧憬から、日本に散在する朝鮮の家具、陶磁器、木工品、仏像など幅広い分野の美術工芸品1700点を収集。
あわせて、季刊誌を発行し、収集した美術品や日本と朝鮮の文化交流史を紹介し、作家の司馬遼太郎、随筆家の岡部伊都子など多くの文化人との交流も行ってきました。
今回、膨大な収集品の中から、鄭氏が一番好きだった、素朴な美しさを持つ李朝白磁のつぼをはじめ、魚や船が豪快に描かれた「鉄砂帆船魚文壺」、ユーモラスなカエルの形をした白磁水滴、高さ30㌢ほどの愛らしい表情の仏像など、朝鮮の民衆の息吹やぬくもりが感じられる作品130点を展示。
司馬遼太郎の揮毫(きごう)をはじめ、文化人との交流を示す写真も多数並べられ、鄭氏の人物像や、祖国への思いが伝わってくる展覧会です。
23日まで。