「何とか切りぬけたい…」 十日ゑびすに祈願
10日は七福神のひとつ、ゑびす神の誕生日にあたり8日から12日まで初ゑびす大祭が東山区の恵比寿神社で行われています。門前には露店がたちならび商売繁盛を祈願する参拝者でにぎわい、芸妓が駕籠に乗って参拝します。夜は招福祭、9日は宵ゑびす、10日は初ゑびす大祭で午後は祭典、11日は残り福祭で祇園内子さんが参拝者に福餅授与、12日は撤福祭と、期間中に数十万の参拝者が訪れます。
もともとは祇園界隈の芸妓さんが夜中にそっとお茶屋を抜け出して願掛けしたとか、またお茶屋に通う旦那衆が贔屓(ひいき)の芸妓を連れて参拝したのが始まりとかいわれています。
「商売繁盛笹もってこい」の囃子が流れる境内は初日の8日午後から混み始めました。本殿にお参りし福笹を授与してもらった女性は、「お茶屋をやってます。お客は減ったものの無事に年をこしました。今年もなんとか切り抜けたいですネー。とても厳しいし、あかんかも…」と決意にも不安が感じられる胸の内が寄せられました。(仲野良典)