「無許可専従行為の事実ない」 処分取り消し求め提訴
京都社会保険事務局が昨年9月、年金記録問題を受けた服務違反調査で、勤務時間内に無許可の組合活動に従事したとして懲戒処分した、京都市内の社会保険事務所で働く職員2人が27日、そうした事実がないにもかかわらず処分したのは違法として、国を相手取り、処分の取り消しを求めて京都地裁に提訴しました。
2人はともに社会保険事務所などで働く職員の労働組合、全厚生職員労働組合京都支部の役員を務めており、1人は、いわゆる「無許可専従」を行ったこと、1人は同職員に支部役員を依頼したことが無許可専従行為を引き起こしたとして、それぞれ減給2カ月の処分を受けました。
訴状によると、同京都支部は従来から、職場内の賃金・労働条件闘争だけでなく、当局の依頼を受けて、組織・機構見直しなどの業務改革を職員間でとりまとめる活動をしてきており、処分理由となった勤務時間内に行った当局との話し合いなどはそもそも業務行為であり、処分対象に成り得ないと指摘しています。また、適切な事実調査も行われず、懲戒処分者は来年1月発足の日本年金機構に採用されず、年末に分限免職となる方針が決まっており、「身分のはく奪を含んだ二重、三重の処分であり、不当で違法」としています。
提訴後の会見で原告代理人の渡辺輝人弁護士は、全厚生職員労働組合や同京都支部が、一連の年金記録問題で大量の処分者を出した元自治労国費協議会と違い、オンライン化にも賛同し、国民の立場で活動してきたことを強調し、「原告らは年金記録問題を理由にして処分されるような労働者ではない」と話しました。