京都、奈良、大阪、和歌山の自衛隊基地をめぐる 田中三郎レポート(5)
「関西基地めぐり・南東コース」は奈良から大阪に、基地めぐりは続きます。
大阪には主な基地に、「陸上自衛隊、八尾航空隊」(八尾市)及び、「陸上自衛隊、第37普通科連隊・信太山駐屯地」(和泉市)があります。
八尾航空隊は、八尾空港航空会社数社と、大阪府警航空隊、大阪市消防局航空隊が基地として共同で利用しています。陸上自衛隊中部方面全体をカバーする航空隊であり、この間実施されている、日米合同演習での、輸送・動員が特徴的なものです。大阪から京都を経て滋賀県あいば野演習場までと思われるコースをヘリコプター隊が20機の編隊で飛行を実施しているとの情報も聞かされました。
もう一つの基地、信太山駐屯地には、「陸上自衛隊、第37普通科連隊」が配備されています。福知山の第7普通科連隊と同じように、37の番号は、大阪法円坂に駐屯していた旧陸軍歩兵第37連隊の番号を引き継いだもので、旗印も「菊水」を付けています。防衛省ホームページから同連隊を検索すると「歴史と伝統に育まれた部隊」と説明しています。
同連隊は、広大な信太山丘陵地帯にあり、中国東北部(旧満州)に地形が似ているということで、明治時代から帝国陸軍の演習場として使用されてきました。最近では八尾のヘリコプターの使用で騒音を周辺に撒き散らしたりしています。
さらに重大なことに、第37普通科連隊の117人がグアムで、「都市型戦闘訓練」を行いイラク帰りの米兵から掃討作戦を伝授されています。米軍将兵は、「訓練目的は、ともに訓練し、戦術を共有することによって、任務をより効果的に遂行できること、陸自の兵士は、建物への強制侵入や奇襲のテクニックを学んだ」と話ししています。自衛隊が海外に出かけ米軍と一緒に戦争することを想定した演習であることを知りました。また、和歌山駐屯地までの長距離行軍も度々実施されるなど軍隊としての精鋭化が進んできていることなど、リアルに聞くことができました。
大阪では、大阪港天保山と大阪南港J岸壁に米艦が度々入港していることから、現地に立ち寄り、米艦入港反対のたたかいの状況を聞きました。(田中三郎)