「いのちを生みだす母親は、いのちを育て、いのちを守ることをのぞみます」のスローガンの下、7月に京都で開催される日本母親大会の成功目指す京都母親大会が5月31日、綾部市内で開れ、1300人が参加しました。主催は同実行委員会。
 小森陽一「九条の会」事務局長(東京大学大学院教授)が「和をつなぐ ことばの力」と題して講演。戦前、日本が戦争をする国家になった構造や憲法9条を守る方法ついて述べました。
 小森氏は、「100年に一度」の経済危機と言われている現代社会を理解するために、「100年前から考え直そう」と切り出し、100年前の作家・樋口一葉の『たけくらべ』や夏目漱石の『草枕』などを取り上げました。『たけくらべ』には、男性が貧困になると兵隊になり、女性の場合は売春を強いられる様子が描かれており、その構造を政府は売春業を管理することでつくっていたと指摘。現代の貧困の構造もつくられたものとして、「樋口一葉の世界はまだ克服されていない」と述べました。
 『草枕』には、戦争をする国の国民には個人の自由が抑制される様が描かれていると述べ、「個人が自由になる国は戦争をしない国。戦争をしない国と決めたのが憲法9条。文学者として憲法9条を守りたい」と訴えました。
 各地の活動が報告され、京丹後市で高校の定数を増やす取り組みに参加した母親は「子どもから『動けば変わるんだ』と感動され、主張することを教えることができた」とのべました。
 京都母親連絡会の衣笠洋子事務局長は、今年は国連女子差別撤廃条約採択から30年になると述べ、「さらに女性の権利を広げるため、より一層がんばろう」と訴えました。また、京都で開かれる日本母親大会に向けて「さらに奮闘しよう」と呼びかけました。