自立支援法訴訟 障害者自立支援法で、福祉や医療サービスを利用するのに原則1割の利用料負担を課すのは違憲・違法として、府内の障害当事者が国と地方自治体に負担廃止などを求めた訴訟の第2回口頭弁論が1日、京都地裁(瀧華聡之裁判長)であり、原告側は、「利用者負担が障害者の自立を阻んでいる」と主張しました。次回口頭弁論は8月24日午後1時10分から101号法廷で開かれます。
 満員の傍聴者が詰め掛ける中、原告側の弁護団が準備書面について意見陳述。国際的にも障害者の自立観が、「個人の努力による」ものから「障壁を取り除き、自分らしく生きられるようにする社会の側の問題」へと捉え方が変化していると指摘。自立支援法の利用者負担の考えが、古い障害観・自立観に立つもので、同法の目的(第1条)にも反し、「生きるために必要な支援にも負担を求め、多くの人の自立を阻んでいる」と批判しました。
 弁論後、ハートピア京都(中京区)で報告集会が開かれ、府内各地から施設職員や障害当事者、支援者ら130人が参加。原告・稲継学さんの補佐人を務める父親の清秀さんが、「18歳までの命と言われた学が43歳まで生きてこられたのは、作業所に通い、多くの人の支えの中で社会的生活ができたから。利用料負担は、『お金がなければ死ねばよい』というのと同じ。この裁判に負ける訳にはいかない」と決意を語りました。
 「応益負担」を違憲・違法とする原告の主張にたいして、被告の国側が弁明書で、「自立支援法は障害者の制度であり、健常者との比較で差別・区別は問題にならない」と述べていることにたいして、参加者からは「非常にお粗末。男女平等も否定するもの」と怒りの発言が上がりました。
 最後に、「障害者自立支援法訴訟の勝利をめざす京都の会」の呼びかけ賛同人を増やすことなど行動提起しました。