観音寺のアジサイ 綾部市に近い福知山市石原にある観音寺(かんおんじ)は、広い境内が約100種1万株のアジサイで埋め尽くされ、あじさい寺として親しまれています。大きい丸型のセイヨウアジサイが大半で、豪華に目立ちますが、山影にいきますと、可憐な日本のガクアジサイが咲いています。また境内の一角には土佐鶏の原種で遣唐使が持ち帰ったという小国鶏が数羽放たれ、庭には銀盃草が白い小さな花をつけ、青紫の桔梗なども咲いて、こころやすらぐ場所です。
 観音寺は720年(養老4年)にインドより帰化した法道仙人が開山し、平安末期に空也によって再建されたと伝えます。本尊は十一面千手観音菩薩(秘仏)、脇立に不動明王、毘沙門天。
 同寺は関西花の寺二十五ヶ所霊場の第1番でもあり、6月中旬から7月上旬まであじさい参観に訪れる人が絶えません。
 参拝に訪れた男性は「小学6年生頃までは父によく連れられてお参りに来てました。あれから50年ぶりで来ましたが、僅かだったアジサイが今ではこんなにたくさん、手入れも行き届いてりっぱになってますね」と感慨深く語っていました。(仲野良典)