水族館計画白紙撤回を 共産党市議団が声明
日本共産党京都市議団(山中渡団長、20人)は16日、オリックス不動産による京都水族館(仮称)建設の「開発構想届」提出にあたって、声明を発表しました。
声明の全文は以下の通り。
オリックス不動産とJR西日本は7月8日、梅小路公園内に建設を予定している「京都水族館(仮称)」と「(仮称)京都鉄道博物館」について、まちづくり条例に基づく「開発構想届」を共同で提出しました。今回の提出は、水族館計画に反対や疑問をもつ多くの世論を繰り返し無視し、手続きを強行するものです。
京都市は、「開発構想届」に先立ち「梅小路公園再整備の方向性(案)」(6月)を発表しています。ここでは、水族館と鉄道博物館の構想を一体のものとして促進する方針を示しています。水族館と鉄道博物館という事業の内容も、完了時期も大きく異なる事業を一体の構想で扱うなど、すすめ方は極めて異常です。与党議員からも「別々に意見を聞くべき。それぞれに市民の意見は違う」と意見が出されたように、「水族館建設の是非を問え」との市民の声を封じ込めるものに他なりません。
さらに、公園も含む広大な計画地の事業にもかかわらず、土地の開発許可も都市計画の変更も不要として計画を進めようとしていることも判明しました。また、具体的な手続きを開始したものの、環境負荷の規模、イルカショーの実施の有無など、市民が説明を求めている水族館の内容については、いまだに明らかにされていません。交通アクセスの問題では、京都市が水族館のための駐車場等の整備及び新たな七条通りからの進入道路を整備するとの答弁が委員会でありましたが、「京都市の負担はない」としてきたこれまでの説明とも矛盾しています。導入するとしているシャトルバスについても誰がその負担を担うのかは不明なままです。年間200万人の入場客を呼び込むならば、交通渋滞をはじめ周辺環境に悪影響を与えることは、火を見るよりも明らかです。
はじめに「水族館建設ありき」で、手続きはこれからなのに既成事実を先行させるやり方は到底容認できません。改めて、建設そのものの是非を市民に問い直すべきです。また、あまりにも不十分な情報の範囲での「設置が妥当」とした第三者検討委員会の答申については一旦棚上げし、改めて再答申を求めるべきです。
今回の「構想届」は、7月13日に公告され、3週間の縦覧に付されるとともに、縦覧開始から4週間以内に、市長への意見書を提出することができます。また、地元説明会の開催が義務づけられており、7月29日(水)午後6時から、下京区・梅小路小学校の体育館で「住民説明会」が開催されます。多くの市民のみなさんの御参加と意見の表明を心から呼びかけるものです。
日本共産党京都市会議員団は、「梅小路公園にオリックスの水族館はいらない!」との市民のみなさんの運動と結んで、水族館計画の白紙撤回を求めて奮闘する決意です。