慰霊の舞 8月24日「浮島丸殉難64周年追悼集会」が、「浮島丸殉難者を追悼する会」の主催により、京都府舞鶴市下佐波賀の「殉難の碑公園」で開かれました。集会には、舞鶴市民や在日韓国・朝鮮人など300余人が参列し、犠牲者の冥福を祈り、平和への誓いを新たにしました。
 「浮島丸事件」とは、敗戦直後の1945年8月24日、日本軍国主義の戦争遂行のための労働力として強制連行等で連れてこられ青森県地方で過酷な労働を強いられた朝鮮人労働者とその家族3735人を乗せた旧日本海軍特設輸送艦「浮島丸」が、釜山へ向かう途中針路を変更し、舞鶴湾下佐波賀沖で突如爆発・沈没し、朝鮮人524名、乗組員25名の犠牲者を出す大惨事となった事件のことです。
 集会は午前11時に開始され、全員黙祷の後、「浮島丸殉難者を追悼する会」の余江勝彦会長が、追悼の辞を述べました。余江会長は、「二度と誤った過去の歴史を繰り返さない」ために、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きることのないようにすることを決意する」という日本国憲法の立場に立って、追悼集会を続けてきた。「浮島丸事件」を忘れないことを日本人の責任として、事件から教訓を学び取り、平和の確立に向けてこれからも追悼事業を続けていくことを犠牲者に約束すると述べました。
 続いて、在日本朝鮮人総連合会三丹支部の池勝一副委員長と在日本大韓民国民団京都府舞鶴支部の金英王支団長が追悼の辞を述べ、京都府知事(代理)、舞鶴市長が献花しました。さらに、駐大阪大韓民国総領事館呉榮煥総領事が献花と追悼メッセージを述べ、朝鮮人強制連行真相究明調査団朝鮮人側代表の追悼メッセージが代読されました。その後、韓国伝統舞芸術院の金一志さんらが「慰霊の舞」を披露し、京都朝鮮中高級学校の女生徒が追悼歌「はまなすの花咲きそめて」を歌い、最後に、参加者全員が平和を願い舞鶴湾に献花をしました。
 集会には厚生労働大臣、青森県むつ市浮島丸出港追悼集会実行委員長、京都府朝鮮人強制連行真相調査団からメッセージが寄せられました。(福谷忠行)