日本共産党京都府委員会が8月31日、シルクホール(京都市下京区)で開いた総選挙の報告集会で、渡辺和俊委員長は以下の報告(大要)をおこないました。

到達に甘んじず引き続き奮闘

 お集まりのみなさん。熱い夏の選挙でのご奮闘、たいへんご苦労さまでした。お力添えいただいた支持者、「しんぶん赤旗」・京都民報読者、後援会員、党員のみなさんに心からお礼を申し上げます。 候補者のみなさんは、短い人でも約2年半の候補者活動でした。候補者のみなさんの奮闘を、みなさんと一緒にたたえたいと思います。(大きな拍手) 結果ですが、得票は全国も近畿も京都も、ほぼ前回水準を維持。議席も現状維持ができました。この結果を見て、「あれだけ頑張ったのに9議席か?」「なかなか前進するのは難しいなあ」というご意見、「いや、小党にとって不利な小選挙区制のもとで、民主党への大きな支持の流れが起こるなか、よく踏ん張った」という受け止めもお聞きしました。
 目標は、全国的には「650万票」「すべての比例ブロックで議席を獲得し、前進させる」、近畿ブロックは「160万票」「現有3議席絶対確保。4議席以上」、京都は「30万票」「第1党実現」「1区必勝」でたたかいました。掲げた目標に至らなかったことについては、いっそう分析と総括を深めたいと思います。この到達に甘んじず、引き続き奮闘する決意です。(拍手)

新しい局面3つの確信

 今回の選挙の結果、私たちは何を獲得し、どんな新しい局面を切り開いたか、お互いに確信を持つことが大切だと思います。 第1は、自公政治に決定的な審判が下り、国民が自公政権を退場に追い込んで、切実な要求実現の扉が開いたことです。私たちの長年のたたかいの結果
民主党は当初の態度を変えて、労働者派遣法改正、後期高齢者医療制度廃止、障害者自立支援法の「応益負担の撤廃、生活保護の母子加算復活、高等教育無償化などを公約に掲げて、政権を取りました。
 これらの要求はいずれも、国民と日本共産党が共同してたたかい、自公政権の下でことごとく阻まれてきたものばかりです。まさに「要求実現一歩手前」の情勢をこの選挙によって切り開きました。穀田さんに頑張ってほしいし、次の国会が楽しみです。(拍手)
 第2は、自公政権を退場に追い込んだことによって、「自公政治に代わる新しい政治とは何か?」という国民の模索が新たな段階に入りました。
 民主党には、「財界中心」「軍事同盟中心」という自民党政治の2大政治悪を正す立場がありません。この点での民主党の基本姿勢が変わらない限り、今回の選挙で大規模に自民党から離れた有権者が、民主党支持に固定されることはありません。また、すべてが自民党の古い支持基盤に戻るわけでもありません。
 今回大規模に起こった「自公政治ノー」の流れは、本質的には政治を変えようという前向きの流れであり、この流れは今後大きく流動しながら、大局的には日本共産党の大きな前進の条件となるものです。
 8月31日付の朝日新聞の社説は「朝日新聞の世論調査で、民主党の政策への評価は驚くほど低い。期待半分、不安半分というのが正直なところではあるまいか」と指摘しました。民主党が、自民党政治の2大政治悪を脱却しない限り、「朝日」の指摘する不安は消えません。日本の政治情勢は、国民が今後の政治体験を通じて、2大政治悪を克服する「国民が主人公」の政治、言い換えれば日本共産党の綱領路線の方向に接近せざるを得ない新たな歴史的局面を迎えました。日本共産党の出番の情勢、出番の局面にほかなりません。(拍手)
 第3は、得票と議席は現状維持でしたが、それ自体、「2大政党づくり」のキャンペーンに立ち向かって、党と支持者のみなさんの最後までの猛奮闘で切り開いたものだということです。これが、今度の選挙の大きな成果でした。
 この選挙では、「今度だけは民主党」と、本来のわが党の支持者の中でも民主党に流れる傾向がありました。一方、対話の中では、「話さなければ民主。話せば共産」ということがひとつの合言葉になって、最終盤の対話・支持拡大が飛躍しました。近畿ブロックは当選者「2」の危険がマスコミの世論調査でも言われましたが、最終盤のみなさんの猛奮闘で、3人目の宮本さんは29位で滑り込むことができたのです。
 一部マスコミは、共産党は頭打ちのようなことを書いていますが、そのマスコミ自身の出口調査でも、8月31日付「京都」では、京都で日本共産党は無党派層からの支持を前回の11.3%から今回13.2%に伸ばした、と書いています。 わが党の支持者も一部、民主党に流れたが、それを上回って無党派層や他党支持層の支持を得た結果、わが党は健闘して得票と議席を維持することができたわけです。この点を「朝日」は、「自民党にも民主党にも不満を持つ層の一定の受け皿にはなった」と報道しています。
 こうした選挙結果を考えますと、今後の国政で、日本共産党が果たす役割は大きい。「良いことには協力、悪いことはキッパリ反対」という建設的野党の立場の発揮が、ますます求められる局面であり、運動と議論を進めてその役割を発揮すればするほど、日本共産党の値打ちが光る局面です。(拍手)

小選挙区でのたたかい貴重

 もうひとつ強調したいのは、小選挙区でのたたかいについてです。京都は早くから候補者を決め、日常的に小選挙区を舞台とした政治活動、国政活動に取り組んできました。小選挙区は国政を争う舞台であり、比例代表選挙をたたかう舞台です。わが党の小選挙区候補者を先頭にした小選挙区での活動がなければ、今回の比例支持を獲得することはできませんでした。比例票を維持・前進させたことを、小選挙区でのたたかいの評価のひとつの重要な基準としたいと思います。
 1区必勝としてたたかった経験は、今後に生きるものです。今回、西陣織工業組合に象徴される経済界との共同が広がり深まったことは貴重な体験でした。小選挙区のこくた票で22.2%獲得して、自民党との差を縮めたことは、定数2を争う来年夏の参院選との関係でも貴重な体験となりました。 府知事選まで7カ月、参院選まで1年を切りました。長岡京市議選は10月4日投票です。10月9日にはみやこメッセで「民主府政の会」の最初の大きな集会です。次のたたかいに立ち上がることを強く呼びかけて報告とします。(大きな拍手)