新型インフル、流行への備えは? 医師、保健所職員ら現状報告
本格的な流行が始まっている新型インフルエンザにたいする京都市の体制を検証するつどい(主催・京都市職労衛生支部)が10日、京都市中京区内で開かれました。
市保健所の勤務経験がある医師の水谷正太氏(みずのや医院)は、診察した患者の事例から、新型インフルエンザの特徴について、「子どもから親にすぐうつるなど感染力がとても強い一方で、症状は強くない。過度に恐れることはない」と指摘。予防には、手洗い・うがいとともに「洗顔」をあげ、感染した場合は、「発症後5日を目安に自宅で療養し、他人にうつさないようにしてほしい。職場でも休む環境づくりが必要」とのべました。また、市民への正確な情報の周知が求められ、「保健所が中心となって情報を集約し、パニックにならないよう市民へのアナウンスを」と求めました。
保健所や市立病院、衛生公害研究所の職員らが現状を報告。市立病院の看護師は、症状が疑われる場合は、資格証明書でも3割負担で受診できるよう措置した結果、資格証明書での受診が相次いだ一方で、「土日は外来事務の職員がいない上、1日100件近くの問い合わせがあり、ていねいな対応が難しくなっている」とのべました。また、保健所職員は、「『危機管理の最前線』という自覚を持ってやっているが、人的な応援もない中、通常業務の遂行と併せて葛藤しながらの毎日」と吐露しました。