KBS正社員化つどい KBS京都(京都市上京区)に派遣されていた報道カメラマン2人が、「派遣切り」される寸前でKBS本社の正社員化を勝ち取りました。7日、2人を祝う集いがKBS内で開かれ、支援した労組関係者に見守られながら「支援に感謝の思いでいっぱい」「労働組合の活動を若い世代に広めたい」と喜びを語りました。
 正社員となったのは、民放労連京都放送労働組合の深田実希さん(31)と川守田宏士さん(29)の2人。KBSの関連会社「KMC京都メディアセンター」(メディアセンター)を派遣元として、それぞれ04年3月、08年5月からKBS本社に派遣されていました。
 8月に派遣元のメディアセンターが業務停止する事態となり、2人は9月末で解雇されることになりました。近年非正規労働者の雇用改善に取り組んでいるKBS労組は、2人の違法派遣是正と本社直接雇用を春闘要求に掲げて、ストライキ権を確立するためのスト権投票を行い約8割の組合員が支持。2人が働く報道部門では支部ニュースを発行し、職場全体での支援の輪を広げる中、9月24日の団体交渉で会社側が1日からの正社員化を回答しました。
 この日のつどいでは、KBS労組をはじめ闘争を激励・支援してきた、京都総評、民放労連近畿地連、北・上京地区労働組合協議会の関係者らが出席。梶川憲京都総評事務局長は、「派遣労働者の雇用を守るたたかいが全国で広がる中で、派遣先のKBS、派遣元のKMCそれぞれ一体となってたたかって成果を得たことは大きな教訓」とたたえました。
 この間のたたかいの中で、同様に非正規から正社員となった西村宏恭さんと蔵内伸一さんからお祝いの花束を受け取った2人は、「組合や会社内外の方々の支援に感謝の思いでいっぱいです。同じ思いで苦しむ労働者を日本からなくすために私も声を上げていきたい」(川守田さん)、「何年かかるか不安でいっぱいでしたが、多くの方々の支援で今気持ちよく働くことできています。これからは、労働組合の活動を若い人にも理解しえもらえるように頑張りたい」(深田さん)と語りました。