プール制堅持、保育の充実を 検討委員会で保育士・保護者ら
京都市は17日、市内の民間保育園の「プール制」(民営保育所職員給与等改善制度)の見直しをはかる「第4回プール制検討委員会」を中京区で開き、労働組合と保護者の各代表が初めて意見陳述し、それぞれプール制の堅持とさらなる保育への支援策を訴えました。
同検討委員会は、今年8月から「プール制」について「ベテラン職員の多い園は支出金(給与)が多くて不公平」「相互扶助を前提としているのか」「時代に合っているのか」などについて検討しており、保育関係者や保護者などから「京都市がプール制を見直し、保育予算削減をねらうもの」と批判の声が上がっています。
意見陳述で訴えた福祉保育労の久保田徹副委員長は、現行「プール制」のもとでも、多くの園が人手不足で忙しく、約4割が非常勤職員であるなど、十分な職員配置が行えない実態を告発。同検討委員会での議論について「保育現場の実態を見た上で、京都の保育水準を発展させる立場に立ってほしい。そのために職員処遇改善や正規職員の増員などの方向でプール制のあり方をじっくり検討すべき」と訴えました。
京都市保育園保護者会連合協議会の樋口勝弘会長は、多くの保護者からは「もっと保育士さんとコミュニケーションをとりたい」「もっと延長保育や土曜保育などをしてもらわないと働けない」「ベテランの保育士さんの経験には安心感がある」などの意見が出されており、保護者の要望と同検討委員会の検討内容が「かけ離れている」と指摘。保護者の労働条件が悪化している状況のもと、プール制が支える特例保育などの事業は重要度が増していることを訴え、「保護者のニーズに合った保育制度へ充実させてほしい」と述べました。
また、同検討委員会では、京都市保育園連盟が行った同検討委員会に対する意見聴取の内容が公開され、圧倒的多数の園から「プール制があるから安心して保育に専念できる」「プール制こそ相互扶助を担う制度」など、プール制の維持を求める意見が多数寄せられたことが明らかになりました。