浅尾大輔 京都第一法律事務所は22日、中京区のハートピア京都で「憲法を守る狂言と講演の集い」を開き、約120人が参加しました。
 主催者挨拶で同事務所の飯田昭弁護士が、「世論の力によって政権交代が実現した今、憲法を発展させる条件が広がってきた。憲法を世界の宝にする大きな流れをつくって行こう」と呼びかけました。
 舞台では茂山一門による狂言「長光(ながみつ)」が演じられました。遠国から京の都での訴訟にやってきた田舎者(でんじゃもの)が、寺町で土産を買おうとしていたところ、「スッパ」(盗み・詐欺などをする)が持っていた刀(備前長光)を盗ろうして、追い掛け合いになるお話。スッパ、田舎者らのかけあいや間合いのおもしろさに会場から笑いの声が漏れていました。
 浅尾大輔氏(作家・雑誌「ロスジェネ」編集長)が、「若者たちが憲法を手にして生きるとき~職場・暮らし・恋愛~」と題して講演。派遣で働く労働者が雇い止めや派遣切りに合い、路頭に放り出されている状況や「労組」を知らなかった若者たちが、仲間と連絡を取り、労組・ユニオンを作り、会社側と団交するなどの過程をビデオ上映も交えながら紹介。そして、その経験から「労働の現場だけを変えてもダメ。法律(労働者派遣法)を変える必要がある」と強調。憲法を学び、権利を行使し、仲間をつくり、たたかうことが大切とのべ、「与えられた自由」から「つかみ返した自由」へと希望をつないでいきたいと話を締めくくりました。
 参加した学生からの「様々な情報から真実を見抜くにはどうしたらいいのか」という質問に浅尾氏は、「自分と仲間の置かれているところから物事を見て、しっくり来るかどうかを見定めること。その中から自分に関係するものを見定めて行こう」と答えました。
 閉会挨拶にたった渡辺輝人弁護士は、京都でも派遣切りや雇い止めをはじめ、働く権利を奪われた労働者たちが仲間を作り闘いに立ち上がり、弁護士も一緒になって成果を上げていることを報告。「今後も一緒に頑張っていきましょう」と呼びかけました。(池田)