京都水族館予定地に歴史的遺構 考えるつどいで指摘
オリックス不動産が梅小路公園(京都市下京区)に建設を予定する京都水族館について「考えるつどい」が23日、京都市中京区のハートピア京都で開かれ、市民ら40人が参加しました。
主催は、「“梅小路公園に水族館はいらない”市民ネットワーク(準備会)」。
神戸大学名誉教授の高橋昌明さんが、「梅小路公園は平家の西八条亭跡地」と題して講演を行いました。高橋さんは、94年に梅小路公園が建設される際、平安時代の武将・平清盛の邸宅の一つ、西八条亭の遺構が発掘された経過を説明。「当時、私たち研究者は市に対して、遺構を保存するため史跡公園に計画変更するよう提案した。しかし、市は、当初のまま緑地公園として整備を行い、遺構を埋め戻した」と述べました。その上で、「市は『将来、地下駐車場など多層的利用を考える時が来るかもしれない』と発言していた。今、その開発の危険性が現実のもとなった。水族館建設で、地中の遺構が損なわれる危険性は高い」と指摘しました。
日本共産党の井上健二京都市議は、市の負担で駐車場整備が計画されているなど、この間の議会質疑で明らかになった問題点を報告しました。下京区の住民でつくる「下京梅小路パークプロジェクト」のメンバーが、「年200万人の水族館入場者をオリックスは見込んでおり、交通渋滞など周辺住民には迷惑がかかるだけ。地元で広がっている反対の声を、もっとアピールしていきたい」と発言しました。
「まちづくり市民会議」の中島晃弁護士が、「水族館計画白紙撤回へ、広範な世論に訴えていく。『“梅小路公園に水族館はいらない”市民ネットワーク(仮称)』を結成し、今後、そのための集会を開催したい」と参加者の賛同を呼びかけました。