落柿舎Rakushisya
落柿舎は松尾芭蕉の弟子、向井去来の別荘として使用されていた草庵です。古い家の周囲にはかつて40本の柿の木があったといい、庭の柿を売る契約をしたのちに、柿がすべて台風で落ちてしまったために「落柿舎」と呼ばれています。 1691年の4月から5月まで、ここに松尾芭蕉が滞在して嵯峨日記を著したそうです。現在の庵は俳人井上重厚による再建であり、場所も建物も芭蕉の時代のそれとは異なっていますが、こじんまりした門とわらぶきの庵にとてもかわいらしい印象を受けます。また、傍には「去来」とだけ彫られた向井去来の墓があり、遺髪が埋葬されているそうですが、去来の本当の墓は、同じく紅葉の名所である左京区の真如堂にあります。
ここは、その名の通りモミジではなく本当に柿の木が多く、鈴なりになった枝を重たそうにもたげていました。幹にぶら下げられた「落下、柿注意」の札が微笑ましいです。
観光客の足が向く嵐山界隈や常寂光寺からも少し離れていて、休日でも訪れる人は少なめ。そのためか、庵の中は心地よい静けさで、時折響く鹿(しし)おどしの音がなんともいえぬ風情を感じさせます。庵には投句箱があり、優秀な作品は俳句誌「落柿舎」に掲載されるそうですが、ここにいると、さも自分が俳人になったかのような気分にひたれますよ。あなたも足を運んで、去来や芭蕉になったつもりで一句ひねってみてはいかがでしょうか。
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紅葉スポットDATA
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- 住所:京都市右京区嵯峨小倉山緋明神町20 TEL075・881・1953
- 交通:市バス「嵯峨小学校前」下車徒歩7分
- 拝観時間:9:00~17:00
- 拝観料:200円
- 紅葉状況:
- 紅葉樹:カエデ、カキ
- 落柿舎