紅葉狩りと陶器市 泉涌寺窯元まつり
東山区のもみじの名所、東福寺と泉涌寺界隈で「第16回窯元もみじまつり」が京都青窯会協同組合と泉涌寺陶磁器青年会との共催で、29日まで開催されており、多くの人たちでにぎわっています。
東福寺や泉涌寺界隈には多くの寺院があり、京阪神地域からたくさんの紅葉狩りの人が訪れ、陶器市に立ち寄っています。広い五条坂の陶器市とは趣が違って、狭い露地の小径の両側に立ちならぶ窯元の軒下に京焼・清水焼が並べられています。風雅や巧緻を極めた手作りの京焼の伝統を引き継ぎながらも新しい工夫が感じられ、通常より超安値でもあり、目を楽しませてくれます。
同協同組合の森俊次理事長は「ここは私らの先代が清水から大正時代に集団で移住してきて登り窯を造りました。いまでも50軒余りあって、電気窯やガス窯で焼いています。ちかごろの不況で厳しいですが、新しい意匠に意欲的に取り組んで頑張っています」と話します。まつりでは、スタンプラリー、利き酒コーナー、うどんなどの屋台コーナーや子ども向けの土と遊ぼうコーナーなど、たくさんのイベントが催されています。
地元から訪れた女性は「東福寺の紅葉を観て、毎年来てます。いつも、何か持って帰ってますねん。この小皿いいなー。でも、0が一つ多いみたい」と売り手に値引き交渉。「そしたら3割引きにしときます」と笑顔の答えに、「そんなら買っちゃおう」。こんな風景があちこちでみられる陶器市です。(仲野良典)