20091128-01.jpg 温暖化防止のための国際的枠組みを話し合う「コペンハーゲン会議(COP15)」(12月7~18日)を1週間後に控えた28、29の両日、シンポジウム「市民が進める温暖化防止2009」が京都市内で開催され、市民ら100人が参加しました。涌井史郎・松蔭横浜大学医用工学部特認教授が基調講演を行い、浅岡美恵・気候ネットワーク代表、高村ゆかり・龍谷大学教授らが報告を行いました。主催はNPO法人「気候ネットワーク」。
 
 涌井さんは、「来年は、国連初の生物多様性年だが、現在1日で100種、将来的には1000種が絶滅する深刻な状況だ」と指摘。「その要因の一つに地球温暖化がある。例えば、水の保持に富み、河川に流れ出る水量の調整機能を果たすブナ林が温暖化で減少すれば、生態系だけでなく生活にも大きな影響を与える。多様な生物によって支えられているのが私たちの生活だ。生物の多様性を守る上でも、温暖化対策は重要だ」と述べました。
 浅岡さんは、新政権のもとでの温暖化対策の具体化について述べ、「新政権は、温室効果ガスを2020年までに25%削減することを発表したが、先進各国は既に50年までに80%削減へ向かって動きだしている」と強調。「国内では、25%削減のために必要な制度の議論さえ行われていない」と遅れを指摘し、「大規模にCO2を排出する発電所や事業所を対象にした国内排出量取引制度や炭素税などの法制化を急ぐべきだ」と訴えました。
 高村さんは、COP15での争点について報告し、「97年のCOP3では、削減目標について、先進国だけを対象に議論したが、COP15では発途上国も対象となる。それだけにより難しい交渉となる」と指摘。「先進国がどれだけ野心的な削減目標を掲げ、途上国に必要な資金と技術を援助するのかが重要な交渉課題となる」と述べました。
 このほか、パネルディスカッションや4つの分科会が行われ、低炭素の社会やまちづくり、COP15の論点や課題について討論が行われました。