福知山教育を考える会 福知山の子どもと教育を考える会(福知山教育ネット)は15日、同市の中丹勤労者福祉会館で「学校と地域づくりを考える学習交流会」を行い、57人が参加しました。同市で進められている学校統廃合について学習・交流し、住民合意を大切にした教育を進めようと開かれたもの。
 安達代表はあいさつで、福知山市学校教育審議会が複式学級解消のために学校統廃合が必要とした今年3月の答申を受け、同市市教委が説明会を中学校ブロックで開いてきたことについて、「『秋には市教委の素案をまとめ』るために計画したもの。しかし、予定通り進んでいないのが現状。PTAと地域の取り組みが大切。改めて同市雲原地区の公誠・北陵の学校建設中止の経緯と地域づくりを頑張る話を聞きたい」と述べました。
 集会では、木村輝幸さん(公誠・北陵PTA特別対策委員長・雲原砂防実行委員会事務局長)が「学校と地域づくり~公誠・北陵の5年間の取組と現状」と題して講演。6年前に児童生徒数の推移表を見て衝撃を受け、一人で中学生活を送る子どもがいることを知り、1人でも生徒を増やしたいとの思いから地域の取り組みが始まったとのべ、地域ぐるみで小中学校の存続を求めてきた運動を紹介。
 自治会の下に特別対策委員会を立ち上げ、府内の小規模特認校をはじめ、高知県大川村などへ視察。一旦は、福知山市議会で予算も付き危険校舎から新校舎建設に向けて動き出したものの、2007年7月、市が突然建設の白紙撤回を表明。地元はやむを得ず今年5月「同意書」を提出し、22年4月から小学校は休校とし上川口小へ、中学校は閉校し川口中学校へ統合することに同意しました。しかし、市は「地域づくりの支援はしっかりする」といいながらその後も具体的な施策がない中、11月13日に要望者を提出するに至った経過を報告。
 交流会では、「学校は地域のよりどころ」「子どもは地域の宝」の思いをもって地域が元気になるように雲原砂防などの文化財や地域の自然を活かしたイベントを取り組み、「5年間のキセキ」としたDVDを作ったことなどが語られました。井上PTA会長は、「学校づくりで市教委と話し合い折衝してきたが、熱意が感じられない。地元の要望には誠実に対応してほしい」と話しました。また、夜久野町や三和町、大江町、上六人部、佐賀地域から署名運動やPTAアンケート、地域の学校を応援するなどの取り組みが報告され、「統廃合反対」や「地域の学校として残して」の発言がありました。
 福知山教育ネットの金澤代表は「教育ネットができてから着実に人と人、地域との心のつながりが広がってきている。確信を持って学習を続けよう」と訴えました。(山本賢二)

 福知山市議会で15日、日本共産党の足立進議員が一般質問に立ち、福知山市の統廃合問題で質問。荒木教育長は,「(統廃合)推進プログラム案の策定は2010年度中に」と明らかにしました。当初は秋に予定されていたもの。理由は「地域の理解を重点的に考え、慎重に策定していかなければならないため」(塩見教育理事)と述べました。