梅の香ただよう青谷梅園
城陽市東部の丘陵地一帯は城州梅が一面に可憐な白い花を咲かせています。3月14日まで、青谷梅林振興会、青谷梅小町の会や城陽市など地元の諸団体でつくる「城陽市梅まつり実行委員会」が「青谷梅林 梅まつり」を開催しており多くの人たちが訪れきれいな梅林に堪能しています。
梅林の、特設のベンチに座って花を楽しんでいる若い女性2人は「私らは小さいときから梅を観て育ってきました。毎年きていますけれど、きれいで、こころもきれいになって、大好きです」と話します。写真は暖かい春を迎えた25日で、これからが見頃となります。
同祭の会期中は、餅つき大会や青谷史跡めぐり、梅探検などのイベントもあり、会場には特設テントで梅うどんや梅おにぎり、カレーライス、おでんなども用意され、また梅特産品も販売されています。会場周辺の小径両脇の紅梅白梅を観賞しながらの散策も楽しいです。
城陽の青谷梅林は、鎌倉時代の歌にも詠まれている古い歴史をもち、江戸期に淀藩から産業復興をめざして奨励され盛んになりました。1900年(明治33年)に青谷梅林保勝会が設立され、梅林の保護と観光に努めて、苔むす老木を含めて数万本の梅樹が群生していたと言われています。
城州梅の花は小さく白い可憐です。梅干し用に脊を低く剪定し、土質の手入れも充分行き届かせているので果肉も大きく、皮は柔らかくふっくらとした果実になります。また、梅酒用のピンクの花の鶯宿梅、紅色の花をつけて生け花などの用いられる花梅なども植林されています。梅農家の人は「一本一本手入れせんと、小さくて堅い梅にしかならないですよ。梅も老木には苔が生えて枯れてきます。しかし、後継ぎがなかなか難しい。私で終わりかも」と話します。(仲野良典)
「風かよふ綴喜の里の梅が香を空にへだつる中垣ぞなき」 宗良親王(後醍醐天皇の皇子)
「わが園の梅のほつ枝に鶯の音(ね)になきむべき恋もするかな」(よみ人しらず)