八幡市・障害児の放課後保障の糸口に 政府通達、共産党が努力
八幡市が4月開校の府立八幡支援学校における障害児の放課後支援事業を準備していた問題で、京都府が反対し、当初計画どおりの事業化ができなくなっていましたが、9日に厚生労働省が出した通達などにより今後の事態打開の展望が広がってきました。
同市は、支援学校の放課後支援として児童デイサービス2型による事業を準備していましたが、昨年末、府が同事業を認めなかったため、市の来年度予算案では、国・府の補助金でも、指導員体制面でも、不十分な条件にある日中一時支援事業として予算化せざるを得ませんでした。
厚労省は9日、「障害児の放課後支援の充実について」との通達を出し、同事業の充実をめざす見解を発表。長妻厚労相が同日の記者会見でも、障害児のデイサービス2型の充実について言及しました。これにより、府が児童デイサービス2型の事業化を認めてこなかった根拠が崩れました。
11日の市議会文教厚生常任委員会では、日本共産党議員団の追及に対し、市は「政府通達・大臣見解をもとに、府と十分に協議する」と答弁し、児童デイサービス2型にもとづく事業展開に意欲を示しました。
これまで、同党市議団は、市議会での追及をはじめ、1月末には井上哲士参院議員ら近畿選出の国会議員、ひなご大介府議補選予定候補とともに政府交渉を実施。障害児の放課後支援実現にむけて取り組んできました。(山本邦夫)
(注)児童デイサービス2型 障害者自立支援法では、児童デイサービスとして就学前の児童を対象にした1型と、就学児を対象にした放課後型の2型があります。同2型は全国で400カ所以上で事業化されています。日中一時支援事業が、保護者の一時的な休養、用事に対応するための事業であるのに対し、児童デイサービス2型は障害児の発達保障、継続的支援を目的としています。障害のある子どもの放課後保障全国連絡会は、障害児の放課後保障制度の実現を求めるとともに、それまでの間、児童デイサービス2型の充実を求めています。