障害者自立支援法廃止後の課題は?
障害者自立支援法が13年8月までに廃止され、同法に代わる新たな総合的な福祉法が検討されていることを受け、障害者の今後の課題を議論する集会が1日、京都市中京区のハートピア京都で開催されました。主催は「障害者自立支援法に異議あり!応益負担に反対する実行委員会」。
報告を行った佛教大学の鈴木勉教授は、同法廃止を評価しながらも、「民主党政権は、保育分野に新たに応益負担を導入しようとするなど、福祉分野に一層の新自由主義路線を持ち込もうとしている」と厳しく批判。今回、応益負担廃止までの暫定措置として、住民税非課税世帯に限定して利用料を無料にしたことや、医療費は軽減策の対象外となっていることなどの問題点を指摘し、「応益負担を廃止するというのであれば、障害者の必要なケアの保障は公的責任で実施し、福祉サービスはすべて無償にするなど総合的障害者福祉法が求められている」とのべました。
障害者自立支援法は、福祉サービスを利用する際に、「応益負担」として1割の自己負担を課すもので、06年の施行後、京都など全国14の地方裁判所で、障害者が「違憲」として国を相手に提訴していました。1月に、全国の原告・弁護団と国が、「応益負担」制度を廃止することなどで合意。これを受け、「障がい者制度改革推進本部」で新たな法制度制定に向けて議論が行われています。