冷泉家王朝の和歌守展 日本共産党の市田忠義書記局長は29日、京都文化博物館(京都市中京区)で開催中の「冷泉家 王朝の和歌守展」(6月6日まで)を訪れ、「歌の家」として京都で800年の歴史を持つ冷泉家が守り伝えてきた国宝、重要文化財などの古典籍を観賞しました。
 同展は、平安・鎌倉時代の歌人、藤原俊成、定家を祖先に持つ冷泉家の邸内にある「御文庫(おぶんこ)」と呼ばれる蔵の中で保管されてきた貴重な典籍や古文書類の数々を一般公開するもの。俊成自筆の歌学書「古来風躰抄」、定家の自撰歌集「拾遺愚草」、日記「明月記」、定家筆写の勅撰集「古今和歌集」「後撰和歌集」などの国宝5点のほか、300点以上の重要文化財を展示しています。観賞に先立って、財団法人冷泉家時雨亭文庫理事長で現当主冷泉為人氏の夫人・貴実子氏と懇談しました。
 貴実子氏は、同展について、「冷泉家始まって以来の規模です。平安時代の和歌文化を伝える典籍の9割は冷泉家にあり、最も古いもので1000年前のものもあります」と述べた上で、膨大な所蔵品の管理について、「俊成、定家が残したものを伝えてきたところに冷泉家の意義があります。修復費用は、国指定のものは6割の国庫補助がありますが、年間2000万円近くを負担しています。不況で企業の支援も減る中、公益法人改革に注目しています」と話しました。
 市田氏は、「政府は経済効率優先で物事を考えるので、文化や芸術が守られない。本来ならこういう分野にこそもっと予算をつけるべきです」と答えました。懇談後、一行は貴実子氏や同館学芸員の解説を受けながら展示品を観賞しました。
 成宮まり子府副委員長(参院京都選挙区候補)が同行しました。