雪岱の貴重な肉筆画、存分に 清水三年坂美術館
大正から昭和にかけて活躍し、泉鏡花に愛された画家・小村雪岱(せったい)の作品を展示する「小村雪岱の世界─知られざる天才画家の美意識と感性─」が京都市東山区の清水三年坂美術館で開かれています。8月22日まで。
小村雪岱は、東京芸術学校で日本画を学んだ後、資生堂での商品デザインや泉鏡花の小説の装丁、舞台美術、新聞連載小説の挿絵など多方面にわたって創作活動に取り組みました。今展では雪岱独特の視点と構図が表現された「雪の朝」、「おせん(傘)」をはじめ、美しい描線の美人画、緻密な仏像のスケッチなど、未発表の肉筆画を中心に展示。雪岱唯一の弟子である故山本武夫氏より作品を譲り受けるなどして収集してきた同館ならではの展示会となっています。
村田理如館長は、「多くが戦中の空襲で焼失した、貴重な肉筆画を展示しているのでぜひ多くの人に足を運んでもらい、雪岱の世界を体験してもらいたい」と話しています。
6月26日13時より館長による展示解説を行います(無料。入館料必要)。
10時から17時(入館16時半まで)。月・火曜休館(祝日開館、臨時休館あり)。途中展示作品入れ替えあり(期間中休館)。一般500円、大高中学生300円、小学生200円。問い合わせ先は、TEL075・532・4270。