平和を求めて多彩な活動 チャペックの世界展
現代SF小説の創始者で、多彩な文芸活動を通じてファシズムを批判したチェコの作家、カレル・チャペックを紹介する企画展「カレル・チャペックの世界―文芸を通した平和と人間性の追及―」が立命館大学国際平和ミュージアム(京都市北区)で開催されています。7月31日まで。
科学技術と人間の関係のあり方を問う作品を多く執筆し、「ロボット」という言葉を生み出したことで知られるチャペックは、ナチス・ヒトラーを批判した代表作「山椒魚戦争」をはじめ、数多くのSF作品を執筆。また、ジャーナリスト、劇作家としても才能を発揮し、コラムや戯曲を通じてファシズム批判や戦争反対を繰り返し訴え続けました。
今展では、チェコのチャペック記念館が所蔵する書物や写真、新聞記事、愛用のカメラなどを通じて人柄や業績を紹介。子どもや犬、自然を愛したチャペックの人間味があふれる自筆の絵本や写真集、公私をともにした兄ヨゼフが装丁した本などもあわせて展示しています。
同館学芸員の兼清順子さんは、「チャペックは、作品を通じて社会問題への的確な批判と人々への励ましを続けました。社会に対する深い洞察と観察の目、ユーモアをもったチャペックの世界を知ることは平和な社会を作るために何が必要か、ヒントを与えてくれると思います」と話しています。
期間中、関連企画として「ロボットの科学と技術」と題した講演会、ロボットの実演やワークショップが行われます。
9時半から16時半(入館は16時まで)。月曜休館(祝日の場合は翌火曜休館)。一般400円、高中生300円、小学生200円。問い合わせ先は、TEL075・465・8151(立命館大学国際平和ミュージアム)。