龍大雇い止め提訴 龍谷大学(京都市伏見区)に3年間臨時教員として勤務し、今年3月末に雇い止めされた女性が5日、雇い止めは不当として、雇用継続を求めて京都地裁に提訴しました。
 提訴したのは、同大学経済学部の「特別任用教員助手」の嶋田ミカさん(46)。嶋田さんは2007年4月に3年間の有期契約で採用され、同学部学生支援事業のサービスラーニングセンターに勤務していました。特別任用教員助手は同学部が同事業を開始するにあたって新設したもの。
 嶋田さんは採用時に人事担当者から「1回はよほどのことがないかぎり契約更新する」と明言されたため継続雇用を期待していましたが、雇い止めを通告されました。
 納得できず同大学教職員組合に相談し、加入。大学に雇用継続を求め交渉しましたが、大学側の姿勢が変わらないため提訴しました。
 会見で畑地雅之弁護士は、特別任用教員として採用された他の教員は少なくとも1回は契約更新されていることから、「更新を期待できる対応を受けてきたので、合理的な理由がない限り雇い止めは無効」と述べました。
 嶋田さんは「修士、博士のころから在籍してきて、龍谷大学には愛着があるのに雇い止めされ、非常に残念です。まわりには雇い止めされたのに泣き寝入りする人が多い。私が声を上げて解決できるという先例をつくりたい」と話しました。
 「嶋田ミカさんの雇用継続を求める会」代表の田中宏同大学元特別任用教授・一橋大学名誉教授が、「高学歴ワーキングプアと呼ばれる教員が増加している傾向に歯止めをかけるためにも、ぜひ勝利したい」と述べました。