萬福寺放生寺のハス.jpg 宇治市五ケ庄にある黄檗宗萬福寺でハスが見ごろを迎えています。天王殿前の160鉢65品種のハス、三門前の放生池の群生は見事です。ピンクや白色のハスの花はあと1週間もすると満開になり、ハスを愛で、普茶料理をよばれる人たちが大勢訪れるでしょう。
 萬福寺は1661年(寛文元年)、時の将軍家綱により中国から渡来した隠元禅師が開祖として開創された寺院。名前は道元が住持であった中国の福建省福州府の黄檗山萬福寺に因みます。約10万坪の広大な境内に広がる伽藍の23棟の建築物や仏像群で創建以来、火災など災害に遭遇せず、重要文化財に指定されています。建造物も仏像も中国明朝時代を偲ばせています。
 余話になりますが、隠元禅師は渡来するときにインゲン豆、モウソウ竹(筍)、スイカ、レンコンなどを持ち込み広め、また寒天(カンテン)の名付け親とも言われています。境内では隠元禅師にちなみ、インゲンが植えられています。 (仲野良典)