京都府南部の3市3町(宇治・城陽・八幡市、井手・宇治田原・久御山町)でゴミ・し尿処理事業を行う城南衛生管理組合は7日、同衛管議会の廃棄物処理委員会で、長谷山(城陽市)清掃工場の灰溶融炉を来年度から運転停止する方針を示しました。運転停止により、年間2億円の経費削減となり、構成市町の分担金が大幅に減額されます。
 灰溶融炉の運転では、ゴミ焼却熱で発電した電力の25%を灰溶融炉で消費しています。消費分を関西電力などに売電すれば、衛管の大幅な増収になります。
 日本共産党は、城南衛管議会で、灰溶融炉についてCO(二酸化炭素)大量排出、電気エネルギーの大量消費、経費も膨大であるとして運転停止をくり返し要求。城南衛管も運転停止を検討し、10月に政府に対し運転停止の申請することを表明しました。
 城南衛管によれば、炉の運転委託費で1億3700万円、売電収入増加で3300万円、灯油代1500万円、電極代、薬品代などで合計2億円の財政節約効果があるとしています。
 長谷山清掃工場の焼却炉の新設にあたり、当時の自公政権は、付随設備として、焼却熱を利用した発電設備、灰溶融などの設備3点セットでなければ建設を認めませんでした。こうした政府の「指導」のもとに、メーカーが開発した新技術・設備が地方公共団体に押しつけられてきました。(山本邦夫)

灰溶融炉 ゴミ焼却灰を高温で溶かす炉のこと。金属を取り出し、減量化、再資源化できるとされている。長谷山清掃工場では06年度に焼却炉を新設し、日立造船製の電気(プラズマ)式の溶融炉を用いている。