環境と文化について語ろう 京都会議2010
「環境と文化・京都会議2010」(主催=京都生涯教育研究所、同会議実行委員会)が3日、京都市上京区の同志社大学で行われ、環境問題に取り組む市民や関係者ら150人が参加しました。1日まで東京で開かれていた国際ペン会議を記念して京都で学者、文化人ら15人が実行委員会を作り準備したもの。
主催者を代表して冨士谷あつ子・京都生涯研究所所長があいさつ。京都は古典文学をはじめ、能や狂言、茶道などの伝統文化を継承するすぐれた文化があり、COP3で京都議定書を採択した地でもあることは意義深いとのべ、「地球温暖化抑止問題に限らず、人間関係も生物多様性から考えることが大切ではないか」と話しました。
「環境にいいことって何?」と題して、俳優の中村敦夫・日本ペンクラブ環境委員長と弁護士の浅岡美恵気候ネットワーク代表が対談。中村氏は地球温暖化の調査で世界各地を回った経験から、戦争兵器の巨大化や土壌汚染の進行、100年で4倍に膨れた人口などに危機感を感じており、むしろ温暖化が進んでいるのではないかとのべ、「このままでは200年後に人類は存在しない」と指摘。また、アメリカを中心とする投資型の金融経済が市場を荒らし、儲かれば何でもするという考え方を厳しく批判し「食糧やエネルギーを儲けの対象とせず、安心、安全に自給自足できるシステムの構築が必要」と訴えました。
浅岡氏は97年のCOP3で決めた90年水準のCO2削減目標に対し、CO2は逆に増加しており、とくにアメリカ、日本など先進国で増えていると指摘。2050年までにCO2を現在の8割以上減らせば気温上昇は2度に抑えられるとのべ「国がCO2削減をめざして、罰則規定のある法律を作り、行政が執行することを考えるべきではないか。そのための世論作りが大切」と述べました。
基調講演をおこなった松谷茂府立植物園名誉園長が源氏物語に出て来る110種類の植物のうち、80数種が府立植物園にあるとして、その花の色や特徴などを紹介しました。また、中国の砂漠に木を植えて緑化活動をしているグループや竹林保全に取り組むサークルなど4団体が活動報告を行いました。