岩船寺のまっ白な秋明菊 木津川市加茂町
木津川市加茂町にある真言律宗の岩船寺で秋明菊(シュウメイギク=キンポウゲ科イチリンソウ属)が真っ白な花を咲かせています。10月中旬から11月上旬にかけて背丈は80センチほどです。洛北の貴船にたくさん咲いているので貴船菊(キブネギク)の名も伝わりますが、中国から園芸用に渡来した花が野生化し、菊に似ているので秋明菊と名付けられたようです。紅紫色が多いですが、岩船寺の花は真っ白でバックの三重塔が浮かび上がらせているようです。
岩船寺は最盛期、39の坊舎がある広大な境内であったと伝えられています。承久の変によって大半の伽藍が焼失し、再建を繰り返して江戸初期には本堂や三重塔など10棟程度になりました。境内は小さくなりましたが、天平時代の雰囲気がただよってこころなごみます。
また同寺は花の寺として、アジサイ、ミツマタ、ツツジや晩秋には三重塔が紅葉に浮かび上がります。(仲野良典)