子どもの医療費無料化拡充を実現 日本共産党 粘り強く要求

 日本共産党が長年、子どもの命と健康を守るために求めてきた助成制度(医療費無料化やワクチン)の拡充・創設が、京都府はじめ各自治体で相次いで実現しています。住民の粘り強い運動と協力して、行政を動かしたものです。いっそうの充実へ同党の果たす役割はますます大きくなっています。

和束と舞鶴で大きく前進

 京都府の子どもの医療費助成制度(外来・通院は3歳までは月200円、3歳から小学校就学前までは自己負担月3000円を超過した分を公費負担。入院は小学校卒まで月200円)に独自に上乗せ補助を実施している自治体は25自治体になります。
 「中学卒業まで広がると聞いて、すごくうれしい。共産党の岡本町議さんが本当に頑張ってくれています。少子化も進んでいるので、さらに子育ての政策を充実させてほしい」
 こう話すのは、相楽郡和束町で小学生の子どもを育てる母親(40代)。同町は9月、来年4月から子どもの医療費助成を中学校卒業まで拡充(現在は就学前まで)することを表明しました。住民団体が町人口の約5.3%に当たる254人分を集めた制度拡充を求める署名や日本共産党の岡本正意町議が議会で繰り返し要求したことが実現したものです。
 運動の中心になって奮闘してきた岡本町議は、「たくさんの町民の方と力を合わせた結果です。制度が拡充しても窓口負担がかからないようにするなど、さらに使いやすい制度にするよう求めていきたい」と語ります。
 舞鶴市と綾部市では今年9月から、府の制度に上乗せして助成が実施されています。
 舞鶴市の2人の小学生の母親・花崎紀子さん(43)は、「長年かかったけど、実現できてうれしい。住民のみなさんの運動と、日本共産党が毎回のように議会で取り上げてもらったものが実を結んだと思います」と喜びます。
 花崎さんは、新日本婦人の会舞鶴支部のメンバーとして、幅広い住民とともに拡充運動に取り組んできました。01年には、同市で制度拡充を求める1万3000人分もの請願署名が集まり、市議会に提出しましたが、日本共産党舞鶴市議団除く「オール与党」が反対し不採択としました。花崎さんら同支部の人たちは「あきらめずに、府下で遅れている舞鶴でも実現しよう」と運動を続け、これに同市議団も協力、実現にこぎつけました。
 7日告示される舞鶴市議選(14日投票)で同党は、通院も小学校卒業までの助成に拡充させることを公約に掲げ全力を上げています。

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府民と共同し府政を動かす

 京都府が子ども医療費助成制度を実施したのは92年。2歳未満まで無料化になりました。その後、全国で制度拡充が進められ、府内でも新婦人はじめ子育て世代から拡充を望む声が起こり、要求運動が展開されました。日本共産党府議団(新井進団長、11人)は、この運動と協力し、府に繰り返し拡充を求めてきましたが、府は背を向け続けました。98年知事選で制度拡充は大争点になり、日本共産党を除く「オール与党」勢力に推された荒巻知事=当時=は、「(制度拡充は)絵にかいた餅」と攻撃しました。
 これに対し同党は幅広い府民と運動を展開し、99年には3歳までの拡充を実現させました。以後03年に入院は就学前まで無料、通院は月8000円以上を補助に、07年には通院は3000円以上補助と拡充させました。今年の知事選では「民主府政の会」の門雄輔候補が拡充を訴える中、山田知事はマニフェストで同制度を2年後に拡充すると明記しました。
 同党は9月府議会代表質問(9月28日)で、さこ祐仁府議が「2年後に先送りするのでなく、すぐに小学校卒業までの無料化を実現すべき」と迫りました。

自・民・公は一貫して拒否

 日本共産党が同制度拡充を訴える一方で、他党は冷たい態度をとり続けています。今年2月府議会で同党が提案した同制度拡充を求めた意見書や決議を自民、民主、公明などの与党は否決。同制度拡充に背を向けました。
 府内25自治体で唯一、府制度に上乗せしていないのが京都市。
 「なぜ京都市はしないのですか。私の子どもは病気がちで、どうしても医療費がかかります。小学校卒業まで広げて欲しい」
 こう話すのは京都市に住む木村さをりさん(36)。喘息の持病がある4歳の子どもを育てていますが、毎月3000円ほどの医療費がかかるといいます。
 日本共産党市議団(山中渡団長、19人)は拡充を繰り返し議会で要求。今年9月市議会代表質問でも西野さち子議員が、「府制度に上乗せして22億円あれば小学校卒業まで拡充は可能。1日でも早く実施するべき」と追りました。10月20日の決算特別委員会市長総括質疑で岩橋ちよみ議員が同制度拡充を求め、副市長が「いい形で拡充したいと考えている。前向きに検討していく」と答弁するなど政治を動かしています。
 また市長与党は、同制度拡充に冷たい態度を取り続けてきましたが党議員団の論戦と市民の声の高まりにより、今年5月議会では同制度を国で実施することを求める意見書を賛成多数で可決(民主は反対)。同党市議団は制度拡充の実現に向けて全力をあげています。

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ワクチン助成へ奮闘

 府内各地の日本共産党議員団は、子どもに必要なワクチンへの助成を求めています。
 京都府は、9月府議会に子宮頸がんワクチンへの助成制度を盛り込んで補正予算を提案。同党府議団が何度も求めてきたものが実現しました。府内全ての自治体で同ワクチンへの助成制度が広がり、来年度から国で同ワクチンへの助成を実施する方向です。
 同党は、細菌性髄膜炎の予防のためのヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンへの助成制度も求めています。現在ヒブワクチンを府内で実施しているのは、長岡京市、向日市、大山崎町の3自治体。肺炎球菌ワクチンの助成実施はありません。同党府議団は「(両ワクチンについて)国に働きかけるとともに、府としても負担軽減措置をすぐに実施すべき」(9月府議会で、さこ府議)と求めています。
 また京都市でも、「国に定期接種化を強く求めることはもちろん、京都市としてヒブ・肺炎球菌ワクチンの助成制度を一刻も早く創設すべき」(9月市議会で西野市議)と求めました。新婦人などの団体や多くの住民とともにヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンへの助成を求め、運動・論戦を展開しています。(「週刊しんぶん京都民報」2010年11月7日付)