逆流許さず「基本合意」踏まえた新法つくろう
障害者自立支援法を廃止し、新しい障害者法を制定するという自立支援法違憲訴訟団と厚生労働省との「基本合意」(2010年1月7日)から1年を迎え、基本合意を踏まえた応益負担のない新法づくりを目指す集会が9日、京都市南区の京都テルサで開かれ、府内各地から障害当事者や家族、施設職員など100人以上が参加しました。「障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす京都の会」と「障害者自立支援法に異議あり!応益負担に反対する実行委員会」の共催。
違憲訴訟全国弁護団事務局長の藤岡毅弁護士が「基本合意と基本的人権」と題して記念講演しました。藤岡氏は、訴訟に立ち上がった意義(全国14地裁、71人)、政府との基本合意に至るまでの経過、厚労省との検証会議の状況などを説明した上で、▽基本合意の中核である「基本的人権」が障害者制度改革会議でも骨格になり鮮明にされている▽基本合意とは障害者支援の基盤となる羅針盤―と強調。昨年12月に自立支援法「改正」法が成立する中、「障害者制度推進会議の第2次意見を確実に反映した障害者基本法の制定実現、障害者の社会生活支援を権利として総合的に保障する『障害者総合福祉法(仮称)』を確実に制定し骨抜きにさせない運動をすすめていくことが大切」と訴えました。
会場からは、保育・高齢者分野、てんかん協会、きょうされん京都支部、子どもの療育をよくする会、京都難病連、日本自立生活センターなどから発言がありました。講演と会場発言を受けて閉会あいさつした、峰島厚立命館大学教授は、「障害者分野だけでなく、保育、高齢者など他の福祉分野としっかり手をつないで共同・連帯して引き続き運動を進めていこう」と呼びかけました。
また集会では、自立支援法訴訟の応援ソング「生きるために」のCD発売を記念して、作詞・作曲者のなかじまこういちさんのミニコンサートが行われました。(N)