きょうはカレーの日 大好きなカレーを作るために、うさぎのミーとムーはおかあさんと買い物に出かけます。パン屋のグーさん、スーパーのキキさんの店、じゃがいもと玉ねぎはボンじいちゃん、はりみつはミッチーさんと村の店や各家を回ってそれぞれの消息や遠い町のお話などを聞きながら、家に帰ってみんなでカレーを作ります。腰が痛いと言っていたぼんじいちゃんにはタンポポとシロツメグサの花束をプレゼント。ミッチーからは遠い町で人間が山を崩して宅地にするためリスや鳥の家がなくなるという話を聞きます。
 登場人物は人間の顔をしていますが、良く見るとグーさんは熊、キキさんはきつね、ボンじいちゃんはタヌキの風貌、ミッチーはなぜか美しいミツバチのお姉さまです。どこにでもありそうな話ですが、最後のページにある詩で母への深い愛に気付かされます。
 詩を書いたのは、平野織(おりべ)さん(22)。絵本の作者は02年に49歳で亡くなった織さんの母・石田聖子さんです。絵本は息子から母への追悼物語でした。
 絵は詩人・ひらのりょうこさんの娘・藤木まりこさん。作者の石田聖子さんはひらのさんの親戚というつながりから本へと導かれました。カレーの味は母の味、ちょっとしょっぱいかも知れません。

  • 作:石田聖子、絵:藤木まりこ、詩:平野織
  • 出版社:文理閣
  • 価格:1000円(税別)
  • 初版:2010年12月18日
  • サイズ:A4変形
  • ページ数:26ページ