北野天満宮の梅 京都の中で、梅がもっとも人気がある北野天満宮(通称「北野の天神さん」)では、12月中旬から寒梅(極早咲き)のつぼみがふくらみ、1月に入ると冬至梅、照水梅、寒紅梅などが開花し始めます。
 1月下旬の今、早咲き梅が満開です。まもなく白加賀、中束梅、玉英梅、南高梅、枝垂呉服梅など中咲きの梅が順次咲き始め、約50種類1500本の梅が見事に咲き誇ります。
 当神社は菅原道真を祀り、道真はとりわけ梅を愛で、九州へ左遷された時に詠んだ「東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花 主(あるじ)なしとて春を忘るな」はよく知られています。梅苑は2月上旬から3月下旬(予定)に開苑され、境内梅苑内にある史蹟「御土居(おどい)」が公開(有料)されます。2月25日には梅花祭が営まれ、近所の七軒茶屋の歌舞会の芸妓さんらの野点(有料)も振る舞われます。写真は本殿(国宝)北側、老松社の祠前に植樹されている雲龍梅です。
 受験シーズンの今、たくさんの中・高生が訪れ、「〇〇高校合格」、「XX大学合格」などの祈願絵馬を掛けています。今の社会を反映しているのか、今年の絵馬には「就職できますように」や看護師、会計士、医師、作業療法士などの国家試験合格を祈願する切実なものがたくさん見られます。(仲野良典)
「しら梅や北野の茶店(ちゃや)にすまひ取り」(蕪村)